あえて博論社を選ぶ理由②―著作権だけでなく、所有権と出版権も著者に帰属しているから


前回のブログで、「オンデマンド出版であるため、絶版・品切れにならない」ことをあげました。

それに加えて、博論社では所有権および出版権を著者に認めているので、さらに「せっかく出版された著書が読者に届かなくなる」という事態を回避することができます。

 

学術図書は初版の刷り部数がもともと少なく、それを売り切ることすら困難な性格を持っています。

売れない場合は、書店から返本され断裁処分されることが多く、また、幸い初版を売り切ったとしても、増刷することは難しい場合が多数あります。

その結果、絶版にしないにせよ、“版元品切れ状態”が続くことになります。

そうした場合に、「本を入手できないので、もし手持ちのものがあれば譲ってくれないか」という問い合わせを、著者は他の研究者からしばしば受け取るそうです。

著者自身に手持ちがある場合は融通できますが、持っていない場合はどうすることもできません。

著書をPDFにして、「読みたい」という人に配布すればよさそうなものですが、出版社に出版権がある限り、そうした対応をすることは権利の侵害になる恐れがあります。

つまりは、著書を流通させるか否かの決定権は出版社にあり、著者としてはどうすることもできない状況に置かれるわけです。

結局、出版社が増刷するか、新しく出版してくれる出版社を見つける以外に方法がなく、事実上、著書を届けることができなくなります。

自身の研究を出版したことのある研究者の多くが、そうした経験をしているようです。

また、出版社が倒産したり廃業したりすることによって、著書が手に入らなくなる場合もあります。

最近では、創文社の廃業が話題になりました。創文社が出版していた本の一部は講談社からオンデマンド出版で入手できるようになりましたが、しかし全てではありません。

 

博論社では、以上のような理由で、学術図書が入手不可能になる事態を避けることができます。

博論社では、著者と「制作委託契約」を結びますが、その第2条で、著作権だけでなく所有権、出版権を著者に帰しています。また、制作した組版データも著者に帰属します。

そのため、単にオンデマンド出版という形態を取るだけでなく、所有権・出版権を著者が持つことで「流通させる・させない」の決定権を実質的に著者が得ることになります。